南井三鷹の文藝✖︎上等

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「従属」を価値とするパロディ国家【前編】

対米従属と強者依存

日本では経済繁栄を極めた80年代以降に、「文化のサブカル化」と「知性のオタク化」が進みました。
これまで僕は、このポストモダン現象を、主に消費経済との関係で考えてきましたが、
今回は政治的問題、とりわけ「対米従属体制」の絶対化という視点からアプローチしたいと思っています。
「対米従属体制」とは、国土防衛を日米安保(日米同盟)に依存するだけにとどまらず、日本の種々の政策決定をアメリカの都合に合わせて行う社会体制のことです。
簡単に言えば、今の日本はアメリカから言われたことに、できるかぎり従う「子分」でいることに自足﹅﹅した﹅﹅ということです。
実際、日本にはアメリカに従う以外の選択肢が、少数派の間でさえ社会的に共有されているとは言えません。
「対米従属体制」は80年代以降の「国是」であり、日本人は他の可能性を考えることをやめてしまいました。
それ以後の日本は、世界で経済競争に勝利するのではなく、世界経済の支配国(アメリカ)にただ認めて﹅﹅﹅もらう﹅﹅﹅ことを国際的﹅﹅﹅目標にしていったのです。