南井三鷹の文藝✖︎上等

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さらば俳句村

高松霞と西川火尖の集団嫌がらせ事件

もうバカバカしくて詳細を書く気にはならないのですが、
先日、僕は連句人を名乗る高松霞の発案に乗っかった西川火尖などの俳人たちから、
ネットで集団嫌がらせの標的にされました。
キッカケは最果タヒという詩人が書いた俳句を、髙鸞石という俳句界の異端児が引用リツイートで「全然面白くない」と吐き捨てたことにありました。
その結果、髙鸞石は最果タヒの怒りを買い、関係者である「東京マッハ」そのほか多くの人にTwitter上で袋叩きに遭いました。
僕自身はその袋叩きがだいぶ盛り上がった頃に、その事態を知りました。
僕は髙鸞石の行為に賛同する気は全くなかったのですが、面白くないものを面白くないと言うくらいで、どうしてそんなに騒ぎになるのか理解できませんでした。
最果タヒのツイートを見ると、どうやら髙鸞石が俳句業界を背負った人物であるかのように勘違いして、
俳句ジャンルに凝り固まった人が現代詩ジャンルの自己流俳句に文句を言っている、というような流れになっていることに気づきました。
いつの間にか、ジャンルとジャンルの間の揉め事のようになって、炎上していたのです。



ヴィリリオと〈総力戦テクノロジー〉【その1】

誤解された思想家

ポール・ヴィリリオの名前を聞かなくなって久しいですが、2018年に亡くなったことで、ますます過去の人になろうとしています。
日本ではヴィリリオの翻訳書が多いわりに、ヴィリリオに関心を持つ人はあまり多くありません。
人気の〈フランス現代思想〉に属しているわりに、そもそも概説書がほとんどないですし、
翻訳者のほとんどがいわゆる有名大学の研究者ではありません。
おそらくヴィリリオが建築家であり、アカデミックな研究者でないことが影響しているのでしょう。
そんなマイナーな存在なのに、日本でヴィリリオの翻訳書が多いのは、
日本で大人気のドゥルーズ=ガタリの双方と交友関係を持っていたからだと思います。
ヴィリリオはドゥルーズ=ガタリの著書で言及されているだけでなく、ドゥルーズと個人的な付き合いもあった人です。
ガタリとは一緒に自由FM放送局「ラジオ・トマト」を立ち上げています。
しかし、僕自身はヴィリリオを読んでいた時に、ドゥルーズ=ガタリを意識することは全くありませんでした。
日本のドゥルーズ学者がヴィリリオに特別な関心を抱いたこともなかったと思います。